海外で地に足つけて生きていく

意識低めの社会人ゲーマーが発信する海外移住のヒント

スタイリッシュな履歴書に何を書くか

 

 

履歴書の内容

いくらかっこよく仕上げても、その国の文化と求人条件に合った内容を書かなければ意味がありません。

写真の有無、性別は明記するべきなのか、趣味などの個人的な情報も入れたほうが好感度が上がるのかなど、事前に調べておくと良いでしょう。

 

新卒未経験版

私がドイツでの新卒未経験として就活で使用した項目は以下の通りです。順番もこの通りです。

 

  • 個人情報として:名前、住所、誕生年月日、独身・既婚、運転免許の有無とクラス。

  • 学歴:高校から。※留学や海外生活など何かアピールできることがあれば、その時点での学歴から書くのもありです。

  • 職務経験:アルバイト歴やインターンでの仕事内容を書きました。

  • 語学力:募集条件に書いてあるものならアピールするチャンスです。
    自信があるならVery good、自信がなくてもそこそこできるならBusiness fluent、自信がなくても何年か学んだことがあるならIntermediateとちょい盛りくらいで書いてOKです。(面接の時点で確認されるので覚悟はしておきましょう。)

  • 趣味:人柄が出てスモールトークのネタにもなります。

 

これだけモリモリ書くと2ページ丸々使うくらいのボリュームになります。

新卒なのでまずは限りなくゼロに近い職歴よりも学歴と語学力で勝負しました。


学歴欄には専攻学科も明記しました。

注意する点は、必ず「年月+〇〇学科卒、年月+卒業見込み」と明記することです。退学した際には特に何も書かないで、何も言われないければ卒業したものとみなされることもあるようです。

 

卒業証明書を提出する必要がない会社ならそれまでですが、卒業して学士なり学位を持っていることをここでさり気なくアピールしておくことで、退学せずやりきった感を与えておくことができます。

 

転職版

転職の際はボリュームを大幅削減して1枚に収めました。

 

  • 個人情報:変更なし。

  • 職務経験:前職の担当業務や出張経験など。細かめに書きました。

  • 学歴:大学から。

  • 語学力:変更なし。

 

こちらは学歴と職務経験の順序を変更し、切りよく1ページにするため趣味欄は消しています。

雇用斡旋会社の担当者さんからアドバイスをいただき、このように変更しました。

職務経験がある場合は、やはり2枚に及ぶ履歴書は長く、企業側の手間も増えるので1枚にすっきりと収めるのが良いそうです。

 

企業側が重視するのははやり前職の業務内容が企業の業務内容に合っているか(即戦力と前知識)なので趣味はあまり重要視されません。

人柄も面接をすれば紙上で見るよりもわかりやすいので、どのような人生を歩んできたかは省いてOKです。

 

反対に新卒未経験の場合はアピールポイントが異なり、仕事の経験がないこの人と一緒に仕事していけるかどうか(人柄)、業務内容に合った仕事ができるスキルがあるかどうかを重視するので、それぞれに合った履歴書を作ることが大切です。

 

企業別

また、受ける企業によっても履歴書を多少変えるのも効果的です。

私が実際に経験した雰囲気は以下の通りです。。

スタートアップ企業で一緒に成長

日本に本社があり、海外で新しくスタートアップしようとする、社員数が少ない企業では自分が歩んできた人生や人柄をアピールするのが良いです。

 

企業側も社員数人の会社という狭いコミュニティーで円滑な人間関係を築いて、ストレスやトラブルの少ない職場を目指していると思います。

そのため、仕事ができるか否かよりもいわゆる「常識のある良い人」がほしいはずです。

 

会社が小さいとコミュニケーションも取りやすいので、仕事が覚えづらくてもすぐに聞くことができます。仕事の流れはある程度日本の本社に沿った形を取るので、バリバリ仕事ができる人よりも、未経験でも会社のルールにそこそこ従順な社員をほしがるようです。

 

私も最初の会社はスタートアップ企業で未経験で入りました。和気あいあいと楽しく仕事ができ、分からないことはすぐに聞くことで仕事も早く覚えることができました。

 

面接も複数のスタートアップ企業を受けましたが趣味の話もしつつリラックスした雰囲気でした。

 

ERPがまだ入っていない会社もあるので、エクセルができるとかなり強いです。経営管理をほぼエクセルで行うこともあるので、関数は一通り知っていると重宝されます。欲を言えばVBAも記録だけでもできると後々楽になります。

 

会社が1から少しづつ形を成していくのを一緒に経験できるのはとても興味深く、毎日がエキサイティングでした。

 

中小企業で即バリ

全く反対に、少数精鋭でやっている中小企業では即戦力が重視されます。新人教育に割く人員もいなければそんな時間もありません。

チャキチャキと働くパワフルな人がほしい印象です。

 

ちなみに私は新卒でエントリーしましたが普通に落ちました。

もう何も書けません、はい。

 

大企業の安心感

色々と余裕のある大企業は経験と人柄の両方を重視してきます。私は転職の際、ドデカ製造業2社とドメガ銀行を受けましたが、もう包容力が違います。オフィスも面接官の人柄も綺麗〜です。

 

履歴書には、職務経験は短くても具体的に書いておくと良いです。

面接でもかなり深く突っ込んだ質問をしてくるので、自分が何を経験して、そこから何を学んできたかをアピールするチャンスです。

 

学歴に関しても学士と修士の論文のテーマまで話すハメになりました。
ちなみに哲学の論文テーマを話すと「はぇ〜〜…(引)」という反応で終わりです。

 

ざっくりとした印象は、スタートアップや小さい会社だとテンポ速めのイエスノーな質疑応答が多かったです。ストレス耐性の質問もあまりされませんでした。

 

例:

 

  • 「うちは〇〇をしてるからXXができるのが条件だけど、大丈夫ですか?」

 

− 「はい、私は□□を学んだので問題ありません。」

 

大企業では反対に、双方が時間をかけて自分のことを話すことが多かったです。ストレス耐性の質問も各企業3つほどされました。

 

例:

 

  • 「あなたの強みと弱みは何ですか?例も交えてなぜそう思うのか教えてください。」

 

−「はい、私の強みは〜なぜなら〜」5分位話し続ける

 

  • 「あなたの職業経験は弊社でどのように活かせると思いますか?その理由も教えてください。」

 

-「私は前職で○○をしていたので、御社の業務内容である△△に活かすことができます。なぜなら~」

 

 

ストレス耐性の質問例:

 

  • 「あなたの同僚が間違ったことを言っていたらどう諭しますか?それはなぜですか?」

 

→なぜそう思うのか同僚に聞き、論理的に答えてもらう or そのように諭す。論理的に答えられないなら自然と間違いに気づくから。

 

  • 「業務中、ミスに気づいたらどう対処しますか?なぜそれが正しいと思いますか?」

 

→すぐに報告して指示を仰ぐ、後々大きくなるよりましだから。

 

  • 「担当顧客から無理難題を押し付けられたらどう対応しますか?」

 

→丁寧に断ってダメなら最終的に上司に相談。

 

焦らず冷静に答えれば平凡なそれっぽいことは答えられます。

 

緊張しすぎて頭が回らないときははっきりと「ちょっと待ってください、緊張してしまって」と一言いって長く深呼吸すれば時間稼ぎにもなりますし、相手にネガティブな印象も与えません。

私も実際にヘラヘラしながらそう言って乗り切りました。笑顔万能です。

 

 

ドイツの履歴書、どれで書く?

海外の履歴書事情は写真はつけないとか、既婚か独身かなんて聞くのはもってのほか!とよく言われていますが、国によってまちまちです。

ドイツではそれらは普通に聞かれますし、写真もばっちり撮れるよう、専用のスタジオだってあります。ちなみに1枚5000円~1万円くらい…。高。

 

今回は私が就活の際どのような履歴を作って、転職の際どのように修正したのかシェアしたいと思います。

 

 

まずはそもそもどのプログラムを使うか、という問題があります。

手書き文化があるのは日本だけじゃないでしょうか…。

 

ワード

履歴書といえばワードでの作成が一番スタンダードです。

見たまま編集できるのが簡単ですよね。一度ある程度形を決めたら、転職するときなどに編集するのも楽です。

ワード用の履歴書テンプレートがあるので、それをダウンロードして好きなように編集して使うのが手っ取り早いでしょう。

 

最近はこんな感じのスタイリッシュな履歴書を作ることもできます。

 

www.coolfreecv.com

www.freesumes.com

難点があるとすれば、いろいろと自分でカスタマイズしていくと行間や改行がズレていって、理想とかけ離れたものができあがってしまうことです。

自分がアピールしたいポイントを押さえて、それらに合って且つ編集余裕のあるテンプレを選ぶといいですね。

 

 

エクセル

ワードよりエクセル派!という人は一定数いると思います。

表に特価したプログラムで作ると、簡単にすっきりとまとめられます。

特に日本特有の履歴書はエクセルで表を作って中身を埋めていくように作ると思います。日系の会社へ就職する際も、たいてい日英独の履歴書を作る必要があるので、日本式の履歴書はエクセルで作成するのが良いと思います。

 

実際に私もエクセルで日本式の履歴書を作りました。

next.rikunabi.com

 

海外用の履歴書テンプレはワードと比べると少ないですが、以下のものがあります。

templates.office.com

www.someka.net

LaTeX

LaTeXとは文書編集に特化したプログラムで、仕上がりがめちゃくちゃきれいになります。自由度はワードとは比べ物になりません。
さらに一旦プログラムされると、文書の更新もより簡単に行えます。

芸術系卒でちょっと周りと差をつけたいとか、かっこよくてプロっぽい仕上がりにしたいとか、という人には特におすすめです。色からフォントから何でも好きにカスタムできます。

 

LaTeXの詳しい説明はWikiにて:

ja.wikipedia.org

 

パソコンにそこそこ詳しく、HTMLくらいは書けますという人はLaTeXも簡単にマスターできると思います。

www.latex-project.org

理系の人は論文を書くのに使ったことがあるかもしれません。私はがっつり文系ですが、修士論文だけはLaTeXで仕上げました。Citaviという、参考文献を簡単に明記できる論文編集用のプログラムをLaTeXと併用して使うことで、煩雑な文献参照の処理を楽に行うことができます。参考文献一の覧ページも自動生成されるので見落とすことはまずありません。

 

私は独学でちょっと触ったことある程度のプログラミング初心者ですが、必要な命令は少ないし、テンプレートもネットにあるので苦労せずに書けました。

 

テンプレは英語で「latex curriculum vitae」や「latex resume」と検索するとダウンロードできます。

 

www.latextemplates.com

resumelab.com

 

ある程度仕組みと命令を学んだあとは、テンプレに沿って自分の履歴を入力していきます。

もっとこうしたい!と思うことがあれば英語でキーワード検索するとほぼ100%、ほしかった命令を見つけられるので、自分の思った通りの理想の履歴書を完成させることができます。

就活用の写真もちろん挿入できますし、履歴書が切りの良いページで終わるように写真の大きさや行間も細かく調節できます。

 

 

比較

最後に、プログラムによってどんな差があるのか見てみましょう。

ワード

f:id:Freyja22:20200526223245p:plain

ワード 参照元https://www.designzzz.com/resume-templates-word/

 

エクセル

f:id:Freyja22:20200526220752p:plain

エクセル 参照元https://www.someka.net/excel-template/resume-template/

LaTeX

f:id:Freyja22:20200526223351p:plain

LaTeX 参照元https://resumelab.com/resume/latex-templates

 

できるだけ色とスタイルが似たものを探してみましたが、どれもスタイリッシュでかっこいいですね。テンプレとテクニックさえあれば優劣の差はありません。

自分にあったプログラムで理想の履歴書を作ってみてください。

 

次回は履歴書の内容であるアピールしたいポイントを新卒用と転職用、企業別に見ていきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

転職は石の上にも1年

現在コロナウイルスの影響で時短勤務をしている人は多いのではないでしょうか。実際に会社で担当する顧客を見る限り、ヨーロッパ全体では比較的早い段階で時短勤務に移行した会社が多いように感じました。

 

余っているこの時期にこそ転職についてゆっくりと考えられるのでは、と思ったので今回は海外で転職する際のポイントを紹介します。

 

 

時期は春が狙い目

ドイツに限って言えば、時期に関係なく求人は常にあります。エンジニアやIT系なら企業国籍問わず転職に困ることはほぼないでしょう。

とはいえ日本人として就活するならやはり日系企業が狙い目です。

企業が募集する日英独という語学力を必要とするのなら、それに見合った給料もいただけます。語学が関係なく、自らの能力のみで勝負するのなら現地企業でも十分な報酬が期待できます。

 

日系企業の募集は、やはり年度が始まる初春が多くなるようです。

クリスマス前に応募すると担当者も休暇を2~3週間ガッツリ取るので、合否までに時間がかかり気持ち的にもスッキリしません。

1月も中旬になると新年開始のバタバタも過ぎ、企業も落ち着きを取り戻しているので対応も迅速になります。

初夏や夏真っ只中もあまりタイミング的におすすめできません。7月はこちらの年度末なので忙しくなり、8月9月はまた休暇ラッシュです。

そのため日本の年度開始の少し前である、初春の2月3月あたり(といってもドイツはまだまだ寒いですが)がベストなタイミングになります。この時期に特に頻繁に求人をチェックしておくと、より可能性が広がります。

 

石の上にも1年

新卒で入った会社が合わなかった場合、日本だとせめて3年は勤めるべきであるという雰囲気があります。最近だとあまり気にしない企業もあると思いますが、短期間で退職すると良い印象を与えないのはドイツも同じです。大体2年は連続して同じ職場に勤めるのが理想とされています。

 

しかし、どうしようもないときもあります。私自身、最初の会社は11ヶ月で退職しました。海外進出しても昭和基質の人は残念ながら存在するし、サインはしたけど労働契約書にどうしても納得できないこともあります。

 

その際注意しなければならないのは、勤続1年が経たないと失業保険がもらえないことです。

 

私の場合は空白期間なしで転職したので失業保険は必要ありませんでした。

勤続1年未満の場合は、退職届けを提出する前に転職先を決めておく必要があります。

 

また、永住権を持たない外国人には生活保護も適応されません。

いわゆるHartz IV(ハーツ・フィーア)ですが、日本より多少マシとはいえ、残念ながらドイツでもやはり良く見られるものではないようです。必要な人には必要なシステムなので、喜んで税金を払うし、こういった意見が少なくなりもっと理解を得られるようになれば、と個人的には思っています。

そのため、1年間病気にならない程度に頑張るか、転職先を探してタイミングよく転職するしかありません。

 

プロに丸投げしてみる

とはいえ、仕事をしながらの転職活動は大変です。条件だけ伝えて後は丸投げできたら楽ですよね。

そんな調子のいいものが人材紹介会社、雇用斡旋会社です。

 

日系企業に特化したサービスを提供する会社は以下のようなものがあります。

・Career Management

・Career Connections

・Japan Management

・Fischer HRM

・Personal Service Experts

・Adeni

JAC Recruitment Germany

 

下2つ以外はすべてお世話になりましたが、担当者さんは国籍問わずみなさんとても親身になって面談やケアをしてくださいます。人材雇用のプロとはこのことか、と感動しました。

もちろん斡旋をするのは日本人だけでなく、日系企業に興味のある人が対象なので、多文化にも理解があります。

 

合否までの流れ

まずは履歴書と職務経験書をメールで斡旋会社に送り、軽い電話面談をします。新卒の場合職務経験書にはアルバイトやインターンで学んだことを書きます。

これらの書類については調べれば書き方は出てきますが、また別に詳しい記事を書きたいと思います。

 

その後条件にあった企業が見つかると、業務内容や待遇などの詳細と、応募するかどうかの確認メールが来るので承諾します。ここでやっと具体的な企業名を教えてもらえることになります。

企業について調べて興味があるなら書類選考への応募をして、合格すれば面接という流れです。

 

1回目の面接で会社や業務内容のより詳細な情報を教えてもらうことになります。もちろん自己PRもします。

待遇については2回目以降になります。

 

基本的に1~2週間後には合否通知が来ます。

もちろん企業によって異なるので一概には言えませんが、大体の流れはこんな感じです。

 

転職に関しては日本とそこまで変わらないのではないでしょうか。

条件に関して納得できない点があれば斡旋会社に断りの連絡を入れても全く失礼にはあたりませんし、早く合否が知りたいときに少し急かしても大丈夫です。

なんなら条件の改善を要求するのもありです。給料がもっとほしいとか、1日7時間勤務の不可も駆け引きの1つとして使えます。

 

これを読んで「こんなんなんだ、これならいけるやん」と思ってくれたら嬉しいです。

 

 

語学試験の対策とおすすめ勉強法

 

試験の種類とおすすめ

ドイツ語の大学入学の際に認められている語学試験にはDSHやTestDaF、ゲーテ・インスティチュート試験、オーストリア政府公認ドイツ語検定試験がありますが、おすすめはDSHです。

 

最終的にはDHSかTestDaFかで迷うと思いますが、大学付属の語学学校に通っている場合、DSHの試験対策をするので無理してTestDaFの試験を受ける必要はありません。受験料も大学付属学校から申請すると割引があるので少しお得に受験することができます。

 

TestDaFは日本でも受験できるので実力を試したり、現地の語学学校でできるだけ上のクラスから始めたい人にはおすすめです。この試験の特徴は口頭試験で、カセットやCDを聴いて回答をそれに録音する方式になっています。

対人で自然な会話をするのではなく、機械に向き合っての試験となるので苦手な人にはやりにくいかもしれません。

 

私は日本でオーストリア政府公認試験を受けましたが、雰囲気としては特に変わったところはなく、英検やTOEICと同じような感じでした。B1レベルの口頭試験は2人ペアを組んで行われるので人見知りの人は少し緊張するかもしれません。

 

試験内容と対策

試験の構成はどの語学試験も読解、聴解、記述、口述の4部構成です。

基本的にはその試験に合った問題集を買って全体を2周すると出題傾向が分かって、きちんと対策を取れるようになります。

 

読解力

読解力の強化にはやはり量をこなして文章を読むのに慣れるのが一番の近道です。

Deutsche Welleなどの外国人向けネットニュースを見ると、語学レベルに合わせてニュースを読むことができます。日本にも似たようなサービスがあり、NHKのサイトで読んだり聞けたりするのでタンデムパートナーにはぜひ教えてあげてくださいね。

また、Amazonでドイツの子ども向け絵本や小説を買ってみたり、日独翻訳付きの詩集を読むのもおすすめです。個人的には初級のうちは、幼児向けの絵辞書と普通の単語帳を組み合わせて、視覚的にも楽しく語彙を増やすのが効果的でした。中級からはひたすらに市販の単語帳や自分のオリジナルの単語帳で毎日勉強していました。

受験生がDUO2.0で英単語をただひたすらに覚えるのと同じですね。

 

オリジナルの単語帳は、自分が分からない単語ができてきたらとりあえず意味を調べて書き溜めておいたり、ある程度カテゴリ分けして表のようなものを作ったりと、1−2冊をざっくばらんに使っていました。自分が使いやすく、開いたときにどこに何があるか分かればなんでもいいのです。

 

 

聴解力

聴解力の強化には個人的に本当におすすめの方法があります。

それは1日中できるだけ長い間ドイツ語を聴くという、楽だけれども個人的にかなり効果のあった方法です。英語もドイツ語もリスニングの点数にだけは定評があったのですが、常にネットラジオポッドキャストなどでその言語を聞いていました。テーマは自分の興味のあるもので十分ですが、試験範囲を薄く広く網羅するために日常的なニュースも聞いておくと有効な試験対策になります。

これに飽きたら次は映画をひたすらに見ます。日本語字幕で好きな映画を見ると視覚的にも飽きずに、ドイツ語のリズム感覚を掴みつつリスニング力も維持できます。私は日本の大学でドイツ語版のジブリやドキュメンタリーを見ていました。今はNetflixで気軽に見ることができるので学習材料には困りません。

 

語学は慣れなので文法を一通り網羅した後に、日常的・習慣的に量をこなせば自然と身に付きます。

 

記述と口述

しかし、日本で記述と口述を自力で対策するのは限界があり難しいですよね。ゲーテやドイツ語学科のある大学で講師と対策するのが一番ですが、インターネットで可能性を探ることもできます。

無料の作文添削ならLang−8.comがおすすめです。添削のプロではないですがネイティブが文章をチェックしてくれたり、質問に答えてくれます。また、スカイプ等でネイティブのタンデムパートナーを探して口頭試験の練習台になってもらうのもアリです。この際、相手も日本語の勉強に興味があるようならTakeばかりでなくGiveもきちんとしましょう。

 

試験では記述と口述どちらも難しい言葉を使おうとしないのが本当に大切です。接続詞なんてdass (that)のみで十分と、語学学校の先生も言っていました。もちろん必要なら他の接続詞も使いますが、無理してあやふやな文法を使うより自信のある単語を選びましょう。記述の添削方法は加点方式ではなく減点方式です。かっこいい文章を書くより、ミスの少ない伝わる文章を書いてください。

私も最初はできるだけかっこいい、教科書に載っている習ったばかりの慣用句が大好きでしたが、クラスで行う模擬テストでの記述はだいたい点数が悪かったです。添削後に返却された、はてなマークだらけの作文を見るたびに落ち込んでいましたね。言いたいことが全然伝わっていないのがよく分かりました。

 

やってはいけない勉強法

先程も書きましたが、言葉は慣れです。間違った勉強をしなければ、着実に語学力は向上します。

では、間違った勉強法とはなんでしょうか。

それは「漢字の書き取り法」と「受け身すぎる勉強法」です。

実際にあったことですが、語学学校の知り合いがノートにびっしりと同じ文章を繰り返し書いていました。ドイツ語は漢字のように繰り返し書いて、手で覚えることにあまり意味はありません。不安な綴りがあれば時間を置いてまた書いてみる、というテストをした方が効果的です。また、ドイツ語は発音と綴りが英語よりもずっと似ているので、発音しながら単語を覚えるのもおすすめです。

 

受け身すぎる勉強は、私のおすすめする聞きまくり法に似ているのですが、その際全く何もしないというわけではありません。理解しようとある程度アクティブに聞くことが前提になります。

いわゆる「ながら勉強」で「勉強しながらスクワットする」のはある程度アクティブな勉強法になり、勉強に優先度を置いています。例えば、スクワットはとりあえずキツくなるまでして回数は気にしないのがポイントです。

しかし、「スクワットしながら勉強する」のは優先度が逆になりパッシブ(受け身)すぎる勉強法になってしまいます。注意が「今スクワット何回したっけ」とか「キツイけどあと5回頑張るか、1回、2回…」といった感情に向いてしまうと勉強に全く集中できていないことになります。

受け身すぎる勉強法が全く意味のないこととは思いませんが、ある程度集中して勉強した方が効果は高いのは確かです。

 

おすすめアニメ

慣れが大切だからこそ、飽きずに楽しみながら続けることが重要です。ネットラジオにも映画にも飽きたらアニメがあります。

おすすめアニメはスポンジボブやファミリーガイ、アメリカンダッド、ザ・シンプソンズなどのアメリカ産アニメです。

会話のスピードがかなり早いですが、これを見まくってブラックジョークも理解できるようになると一人前になれたような気がします。これらのセリフを会話に引用すると、若者同士なら光の速さで打ち解けることができます。(Ich bin so klug, K_L_U_K! Ich meine K_L_U_G.とかEine Menge Fantasie!とか使える場面多め)

 

 

以上、真面目に試験対策について語りたかったのですが最終的にオタクの血が騒いでしまいました。

楽しい語学ライフを!

 

 

【タブレット】学生生活おすすめ必需品【安価】

文系理系問わず、今どきの学生はノートパソコンを持っています。

アップル製がやはり機能性もありデザインもよくて人気ですが、できるだけコストを抑えて生活したい学生にとっては値段が気になるところ。LenovoAsusといった比較的安価なメーカーでも、薄くて軽くて機能もそこそこなものはやはり10万円くらいします。

 

では、結局何を揃えておくと便利なのでしょうか。

文系学生に限って考えると、毎日講義に持って行けて、どこでも文献が読めて、調べものもできて、論文がサクサク書ければ十分です。もちろんプライベートで動画を見たり、SNSをチェックしたりするのにも必要です。

 

それをふまえて、今回はコストを抑えて且つ持ち運びに向いている端末、タブレットを推してまいります。

 

 

 

ノートパソコンの必要性

大抵の大学図書館にはCore i3やi5レベルの、論文を書いたり調べものをしたりといった通常の作業をする分にはオーバースペックなほどの良いパソコンが完備されています。そのため、必ずしもパソコンを個人で持つ必要はありません。ただ、プライベートで動画編集やプログラミング、ゲームなどをする場合はぜひ趣味に合ったスペックのパソコンを買ってください。(個人的にゲーミングPCは時代に合わせてグラフィックカードなどをアップデートできるのでデスクトップ推しです。)

 

また、ノートパソコンだと通学途中のバスや電車の中で気軽に文献を読むことは難しいです。座れたらできないこともないですが、立った状態で片手で読むことは不可能でしょう。Kindleなどの読書に特化した端末を持っている人も多いですが、大学図書館やネットにあるPDFの論文を読むのには適していない(というか下準備が面倒くさい)のが現状です。

 

ノートパソコンは家のほうが集中して作業できる人にはあったほうが便利かもしれないけれど、結局は大学に行くのでなくても困ることはありません。

 

ペーパーレスでキーワード検索できる

タブレットが一番本領を発揮するのは、文献を読みこむときです。大学図書館で文献を借りて、必要な部分を大学PCでPDFスキャンし、テキスト認識したものをタブレットに入れれば印刷代すらかかることなく完全無料で、どこでも文献が読めます。大学PCには有料のAdobe Acrobatが入っているので、PDFファイルの編集に困ることはありません。(自分のPCを持っている方、有料版を学割で買うことを強くおすすめします。)

テキスト認識をしておくことで必要なキーワードに飛ぶことができ、資料集めにかなり役立ちます。

 

私のいた大学では白黒印刷は1枚10セントでした。毎日1講義20ページの文献をn講義分読むと印刷代だけで結構な出費になります。課題論文前はかなりの文献量を読むので、置き場所にも困ります。

ケチって1枚(A4)に4ページ表示させると文字はかなり小さくなり、後悔するのでおすすめはしません。2ページまでが限界です。

 

タブレットにもAdobe Reader(無料)をインストールすれば、スキャンした文献にマーカーが引けたり、手書きで直接メモ書きを入れたりすることもできるので論文作成の下準備がやりやすくなります。個人的には、文献に直接手書きの図説を作れたのが便利でした。

また、教授がアップロードした(またはメールした)課題文献をダウンロードして予習しておくという毎日の課題にももちろん対応可能です。

 

自宅では集中して書けない派の私は、文献が入ったタブレットをセカンドディスプレイとして隣に置いて大学PCで論文を書く、というスタイルで乗り切りました。

自分の論文データの保存はクラウドをおすすめします。家で少しでも進めておきたいときにも、とりあえず文章だけgoogle driveやメールの下書き等に保存しておけば、データの破損や紛失を避けられ、後から大学PCで編集できます。その際、2000円くらいの安いブルートゥースのキーボードを1つ買っておくと重宝します。

 

おすすめタブレット

最近はアップル製でも安いタブレットが出ていますが、ストレージ容量が32Gと少なく4万円ほどほどします。

正直上記の作業内容ならどのタブレットを買ってもそこまで大きな差はないので、安価なAndroidタブレットで十分です。ストレージもSDカードさえ買えばいくらでも拡張できるのが魅力ですね。

 

ただあまりにも安かろう悪かろうなタブレットを選ぶと、反応が遅くカクカクすることがあるので、それがストレスになる人は避けましょう。価格帯としては2万円くらいを選ぶと失敗しません。

ブランドにこだわりがない人はコスパの高い、HuaweiLenovoASUSなどのいわゆる中華タブが狙い目です。

実際に私も愛用者でASUSLenovoを使っていました。どちらも2万円前後でLenovoは今も健在です。

 

大きさは文献の読みやすさとメモのしやすさ、文章の書きやすさから10インチをおすすめします。これより小さいとより軽くて手軽に文献を読めるのですが、文章を書くとなると少し狭く感じるかもしれません。

 

もちろん中古のタブレットをEbayなどで安く手に入れることも可能です。その際にはいつ製造されたものかを見てください。RAMは2GB以上はほしいですが、スペックに詳しくなくても製造年から4、5年以上経っているものは避けましょう。古いものはやはり反応が鈍くなっていることがあります。実際に私のLenovoも購入から3年ほど経っていて、You TubeのHD動画も問題なく再生できるのですが、アプリが開くまでの時間、ブラウザでの検索スピード等、反応は目に見えて遅くなってきています。

この点に注意して選べば、より安価でタブレットを購入できます。

 

 

タブレットを購入することで膨大な文献の印刷代のもとが取れるかは人によりますが、学生生活がめちゃくちゃ快適になることは間違いありません。

ノートパソコンがなくてもタブレットでより身軽な学生生活を!

 

 

 

 

語学学校での心構え

入学申請手続きを終え、残すところはあと語学証明のみ。語学学校に通うが楽しみな人、不安な人、いると思います。

大学付属であれ、自分で探した語学学校であれ、複数人のクラスで一緒に学んで行くものです。

 

今回は私の体験をふまえて語学学校に通う際の心構えを紹介します。

 

 

クラスメイトとは仲良くしよう

語学学校のクラスメイトは必然的に国際色豊かになります。高校を卒業してすぐの人、学士を卒業した人、研究者や社会人など年齢も様々ですが、平均して25歳くらいの印象です。どの語学レベルのクラスも和気あいあいとした雰囲気で、仲良くなりやすいと思います。みなさんいい大人で同じ目的をもっているので、変な人に出会う確率はかなり低いんじゃないでしょうか。

入学テストを終えてレベル分けされているためお互いの語学力はそこまで差が無いので、伝えようとする姿勢で話せば相手も一生懸命理解しようとしてくれます。

 

クラスメイトと仲良くすることで得られるメリットは、クラス内で起きたトラブルを早期に解決できることだと思います。

実際に私が経験したトラブルは、先生が的外れで非効率的な授業をしたことでした。

上級クラスになり試験本番が近いときに、追い込みをするわけでもなく明らかに全く対策になっていない授業をされたことがありました。しかし、私たちのクラスはすぐにクラス内会議を開き、みんなの意見を聞いて問題点をリストアップしていき、授業の改善点をまとめたものを先生に提出することで、早期にこれを解決することができました。

 

また仲良くなると、意見も言いやすくなります。授業中静かにしてほしい時も気まずい雰囲気になることなく注意できます。気の置けない仲というやつですね。

語学力の向上と語学試験の合格といった同じ目標を持っているので、クラス内の雰囲気はピリピリすることはあれど、団結力はある程度あります。そのため、誰かが授業内容を理解していないときはクラス全体でバックアップすることもできます。

クラスメイトと仲良くして自分の存在をある程度示しておくことで、助けてもらいやすくなります。

 

グループスタディーでモチベーションを保つ

特に仲良くなったクラスメイトとはぜひ学校以外でも一緒に勉強に誘ってみましょう。

複数人で勉強することで、分からないことをすぐに聞けたりモチベーションを保つことができます。また、語学学校はたいていの場合午前中に終わるので、昼食を一緒に食べた後また図書館などで勉強するなど、勉強生活のリズムも作ることができます。

試験が近いときには、お互いに作文をチェックしあったり口頭試験の練習台にもなることができます。

 

こういったグループスタディーの経験は正規学生になった際にも大いに役立ちます。経済学部や法学部は事例を元にした課題(ケーススタディー)を与えられることが多く、よく5人ほどで集まって勉強しているのを見かけました。

他の学科でも、教授がグループでのプレゼンテーションを指示する場合もあります。その際、複数人で課題を分担しあって1つのプレゼンを作ることになります。

語学学校時代から、他人の意見を良く聞いた上で自分の意見もしっかり現地語で主張できるように練習しておくのは重要です。

 

タンデムパートナーを探そう

タンデムパートナーとは、お互いの国の言葉を教え合うパートナーです。ドイツだったら、日本語に興味のあるドイツ語話者のことを指します。

大学のHPなどで募集したり見つけたり、パーティーなどで知り合うこともできます。

 

語学学校で分かりずらかったところをより深く質問したり、作文の添削を頼むこともできます。また、役所等から来た水道やガス代に関する手紙も具体的に何が書いてあるのか不安な人は読んでもらうと安心です。

文法を詳しく説明するのはネイティブには難しいですが、教科書には載っていない自然な言葉を学ぶことができます。語学学校の先生はネイティブではないことも普通にあるので(文法の説明や、外国人としてつまずきやすいポイントを理解しているため)、ネイティブの、特に学生といった若者が話す言葉を学んでおくのは友達作りにも一役買います。

私が個人的にタンデムパートナーによく質問していたのは、ある特定の単語を使った例文です。単語1つとっても使い方や意味が全く違うことがあるので、例文を言ってもらうとどのコンテクストで使われるのかよく理解することができました。

 

また、日本語や日本文化を客観的に見て(日本から見ての)外国人に教えるという経験はなかなかできるものではありません。自国の文化を見つめ直したり新しい発見があったりと、とても良い機会になります。

 

もちろん他の言語を学びたいときは、他のタンデムパートナーを探すこともできます。余裕が出てきたら他の言語を学ぶのも楽しいですよ。

基本的に中国から来た人はどの学科にもまんべんなくいるので、知り合うのも簡単でしたし、中国語を学ぶには困らなかったです。日本のアニメや音楽に関心がある人が多いのでオタクには嬉しい環境でした。

 

以上、私が経験した語学学校時代で重要な心構え3点でした。

終わってみれば人生で一番楽しく充実した日々だったと実感します。

楽しい語学学校ライフを!

【学歴社会】修士課程に行ってみる

ドイツは日本と同じく学歴社会です。

そのため、高めの学歴を持っているとそれだけで高めの給料をもらえることになります。実際に私が就活中にやっていた通訳のアルバイトでさえも、その時点で修士を修了していたため、わざわざ時給をあげてもらえたこともありました。(はっきりと「あら、修士を持っているのなら時給を変えなきゃね」と言われました。)

 

日本で学士を卒業している場合、海外の大学で学士課程を再履修する必要はほぼありません。知識不足だと感じたら、学士のコースをいくつか取ってみるのもアリです。

 

今回は「思い切って修士課程に行ってみること」のメリットを紹介します。

 

 

 

学士号と修士号の違い

ドイツにはそもそも学士課程はありませんでした。マギスターとディプロムと呼ばれる、いわゆる現在の修士課程のみが存在していたのです。

2010年までに世界標準である3年の学士と2年の修士制度をほぼ取り入れたそうですが、国家資格試験を必要とする法学部や医学部、教員課程は未だに昔の制度のままです。

 

まず、修士とはそもそもなんでしょうか。

学士で専門分野の基本を学んで、それをさらに深めていく課程であることはなんとなく想像できると思います。学士課程と同じく、教授や講師の講義を聞いて単位を取って最終的に修士論文を書いて修了です。

決定的な違いは最終的に提出する修士論文の「オリジナリティと新しさ」にあります。

 

学士では決められたテーマについて調べ、論理に則った事実を導き出していきます。

例えば、「◯◯がこう言って、XXがこう考えるので、このテーマの答えはこれである」といった形です。

また、こういった学術的な文章を書けるようになるのも学士の目標の1つです。

 

それに対して修士では、新しいことを自分で見つけていきます。修士論文を書く際、先人学者が作った理論を紹介して終わり、では審査に受かりません。決められテーマに対して、自分で導き出した結論で締めなければなりません。

例えば、「◯◯がこう言って、XXがこう考えるので、自分は△△という理論を提唱する;根拠は□□で、テーマに対する答えは▲▲である」といった形で、学士論文よりも掘り下げた形になっています。

 

私は哲学を専攻していたので、修論ヘーゲル弁証法っぽいなと勝手に思っていました。既にある理論(テーゼ)に反する、または別の理論(アンチテーゼ)から自分の理論(シンテーゼ)を導き出して行く感じです。

 

興味のあることを学んで自分自身の理論を作ってしまうのは、ロマンがありますね。

実際やっている途中は地味な作業もたくさんあり、大変ですが。

 

メリット1:自由度の高さ

必須科目が減り、自由度の高いカリキュラムを組むことができます。そのため、自分の興味のある分野により集中して研究できることになります。

 

やっていることは講義に参加して、ゼミでプレゼンして、レポートを書いて…と、学士とそこまで変わりませんが、時給12ユーロほどの割の良い学生アルバイトとして学士課程の学生に講師補佐として教える側にまわることができます。この際、教えている学生からのアイディアで自分が教えられることもあります。

 

講義では、原文をより掘り下げて、少人数で活発に議論することが多くなります。

議論のテーマは自分たちで決められることも多々あります。自分の修論のテーマを同期学生の意見を聞きながらブラッシュアップできるチャンスなので、積極的に発言しお互いに助け合って修論作成の準備をしましょう。

 

宿題としては、1つの講義やゼミに対して20ページほどの文献を読んで予習する必要があるので、毎日かなりの文献を読むことになります。語学面でもかなり鍛えられます。

 

メリット2:給料の違い・就職

冒頭で紹介した通り、給料面のメリットもあります。

Absolventaによると学士と修士卒の初任給は平均で12%の差になるそうです。(参照元Einstiegsgehalt von Hochschulabsolventen 2020

12%というとそこまで大きくはないように思えます。しかし、例えば年収が3万ユーロだとすると3600ユーロの差になります。月収の2500ユーロを大きく上回るので、決して小さい数字ではありません。

もちろん業界や役職によっても給料は大きく異なりますが、修士号を持っていることでキャリア形成にも良い影響はあれど不利になることはまずないでしょう。

 

就職や転職の際にも、同じ条件の人がエントリーしてきたら学歴の高い方を採用するのではないでしょうか。修士号までなら会社にとってもそれほど高い人件費にはならないはずです。博士号までいくと管理職や研究職でない、いわゆる平社員ポジションでは、オーバークオリファイド(高学歴過ぎて人件費がかさむ)で逆に雇われなくなることもあるようです。

 

勉強意欲はあるけど、将来研究者になるよりは普通に仕事がしたい、という人には修士へ進むことをおすすめします。

 

デメリットがあるとすれば、2年間という時間とお金を費やす必要があることです。そして、修論を書くのはそこそこツラいです。その分早く就職してお金を稼ぐのではダメなのか、といった葛藤があると思います。

しかし個人的には修士に進んで心からよかったと思うし、思う存分自分の好きなことを研究できるのは、この時しかありません。

 

修士課程に行ってみること、考えてみてはいかがでしょうか。