【ビザ】外人局で手続きをさっさと済ます方法
外人局は戦場である。
行きたい大学が決まって期待に胸を膨らませやっとの思いで到着しても、外人局に入ることすらできないことは多々あります。
学生ならなおさら、年1回のビザの更新は憂鬱なものにしたくはないですよね。
以下では、どう不手際を回避しさっさと手続きを終わらせられるか、実体験を元に3つのヒントを紹介していきたいと思います。
書類は全て1つのフォルダで保管
ドイツの役所は世界でも手続きが煩雑なことで有名です。実際に外人局に行くと、大きなフォルダが壁いっぱいに並べられています。
1枚でも足りない書類があると、もうアウト。またに3ヶ月後(待ち時間)に来てね、なんて普通にあります。
そのため、書類を忘れないことが大切です。
そんな当たり前なことを…と思いますが、これは外人局のHP等に事前にリストアップされているであろう必要書類リストに載っていない書類も忘れてはいけない、という意味です。
意味が分からないと思いますが、役所の担当者もそれが必要な書類だとは分かっていないのです。ビザ発行にはいろいろな法律やルールが関わっているので、個人個人の必要条件を満たすためには、それぞれ異なる書類が必要になってくるのだと思います。
私がおすすめするのは、どこから発行された書類にせよ「重要書類はすべて1つのフォルダにまとめておく」ことです。
高校・大学の卒業証明書や成績、TOEICなどの語学証明書、入学申請書、入学許可書、住民登録の証明書、パスポートや保険証などのあらゆる書類のコピーなど、重要そうなものは全てとっておき、多少のカテゴライズをして、1つのフォルダ内にまとめておきます。
外人局に行く際には、この重たいフォルダを持って行きます。置き引きやスリには特に注意する必要があります。
もし急に他の書類が必要になっても、探して提出することができます。
これでダメならまだ発行されていない書類である、ということで諦めもつきます。
とりあえず1時間前に到着
初めて行く場合、外人局が開く前の1時間前にはとりあえず到着しておきましょう。
それで1時間待ちぼうけをくらうなら羨ましい限り、儲けものです。早朝からやっている近くのベーカリーで時間を潰したり、既に待っている外国人の人と話してみるのも楽しいものです。(避難民の学生との会話は今でもとても印象に残っています。)
学生ビザの更新時期が重なったり、移民が多くいる都市に行くと待ち時間はえげつないことになります。
例えば、田舎の誰も知らないような大学街の外人局で、私は朝4時から並んでも入り口にすら辿り着けなかったことが多々ありました。深夜2時から並んでいた強者もいます。酷い時期だと、役所前にテントを張って一晩過ごた、なんて人もいました。
外人局に行くときは、ぜひ1番乗りを目指してください。早朝は担当者のストレスも少なく、丁寧で的確な対応をしてもらえることでしょう。
ローカルルールを知る
早朝に来たはいいけどめちゃくちゃ並んでる、というより列を作らず溜まり場になっている、という状況はよくあります。この場合、単に待っているだけだと最終的に順番が回ってこず、そのまま帰宅することになります。人間は必ずしも順番を守る生き物ではありません。
ぜひ誰かに話しかけて、順番待ちリストなどが存在するのか聞いてみましょう。
外人局内に入ってからも順番待ちの札を各自取ってから待つのですが、それ以前に「順番待ちの順番待ち」が存在する場合があります。
私が実際に経験した順番待ちリストは、今そこで待っている外国人の手で作られたノートの切れ端でした。そこに自分の名前を書いていって、開所したらそのリストを役所の人に渡す仕組みでした。
このルールがどこにでもあるとは思いませんが、常に柔軟に、人の助けを借りながら、この戦場を切り抜けていく必要があります。
以上3点、最初の難関を越えるためのヒントでした。
外人局に怖いイメージを与えたかもしれませんが、たいていゴツい警備員がいるので安心ですよ。
【文系】海外の大学、何科に進む?【組み合わせ】
海外の大学に行きたいけれど、実際に何を勉強しようか迷っている人は少ないんじゃないかと思います。何せ「これは日本じゃ本格的に学べないから海外へ行こう!」と、通常は意気込んでいるからです。
しかし、文系で将来お金にならなさそうな学科がたくさんあるのもまた事実。
神学、哲学、美術史学、教育学、言語学、コミュニケーション学、文学、◯◯語学など、博士号を取って教授や研究者になるかしか将来の稼ぎ口がない学部に興味がある場合はどうすればいいのでしょうか。
アカデミックな業界を目指すにしても、何かあったときのリスクを考えて食いつなげる術を持っていると安心です。研究はある程度職務経験を積んで、生活を安定させてからでも遅くはないと思います。
正直私自身も純文系人間として就活には苦労しました。
意識低い系なので営業職でバリバリ働くことや、大人向けの教育機関でフリーランス講師として不安定な収入を得ながら働くのも考えませんでした。
翻訳者になることも考えましたが、「言葉ができること」と「翻訳ができること」は別世界であることをここでお伝えしておきます。翻訳専門学校や学科があるのはこのためなんですね。
私の理想は、会社に所属して守ってもらい、パソコンを使って仕事して、定時に上がってゲーム、という生活サイクルでした。もう事務職一択です。
同じ学科のドイツ人の友人でさえ、なかなか就職先が決まらず、卒業後アルバイトをしていたり職業訓練校に新しく通い始めたりしていました。
文系一本にしたのを後悔しました。
私がこういった現実を身をもって経験した上でもう一度大学生からやり直すとしたら、以下の選択をします。
文系×教員課程
現地の文系学生に圧倒的人気なのは、「自分の興味のある学科+教員課程」の組み合わせです。日本でも私の通っていた大学では2万円で教員課程を修めることができたので、友人の何人かは履修していました。
ただ、ドイツの教員課程は2つの専門学科を取らなければならず、(大学にもよりますが)学士3年に2年間の教員課程を追加で履修する必要があります。レベルで言うと、修士と同等の扱いをされます。
また、EU以外の外国人は公務員にはなれないので、いわゆる雇われ公務員として採用されることになります。月給は公務員と比較して、約600ユーロほど下がるようです。
雇われ公務員というのは、ドイツ人でも疾患などの健康問題があったり、規程の公務員試験を受けていなかったりすると正規の公務員として雇用されないことをいいます。
外国人としてドイツの学校で教える、というのはなかなか勇気がいることですが、教員の数はどこも足りていないようなので就職には困ることはないようです。
文系×経済・経営学
突然ですが、ドイツにもウェーイ系のパリピはたくさんいます。彼らが行くのは経済学科・経営学科が多いです。新入生向けのオリエンテーションでも一際盛り上がって(うるさかった)のはやはり経済・経営学科でした。
パリピではなくても、「とりあえず進学しとくか」系の人にも人気な学科で、学生の数もやはり多いです。
その理由は、就活の際圧倒的に有利だからです。
新卒向け(といっても新卒の概念はないですが、Einsteiger(未経験者)向けの)求人情報を見ると、この学科卒を条件にしている企業がたくさんあります。やはりそれなりに即戦力のある知識を身につけることができるからでしょうか。
経済・経営学にそこまで興味が無くても、本命の学科と組み合わせることで新しい発見もあるかもしれません。経済・経営学科は歴史が浅く、ヨーロッパの産業発展に伴って18世紀ごろから発達したと言われてますが、本元を辿れば古代ギリシャまで遡ることもできます。なので、古い学問と組み合わせても噛み合わない、ということは全くありません。
例えば個人的に面白そうだと思うのは、
・経済学的な視点から見た宗教の役割
・経済学の哲学
・言語の変化と経済の関係性 など
キーワードでザッと検索すると面白そうな論文は日本語でもたくさんヒットします。
言語学・コミュニケーション学を専攻していた私の友人は、スローガンとマーケティングについて修論を書いていました。
就職の際も経済修士を修了していれば、事務職でも初任給で3000ユーロ以上もらえるそうです。また、経済学の修士課程はほぼ確実に英語で行われるので、現地語が不安な人も安心して講義を受けることができます。
経済・経営学部を履修する際気をつけなければならない点は、落第です。実際に難関だからなのかは分かりませんが落第率は50%ほどです。どの学科も同じですが、2回同じ試験に落ちたら、ドイツ全国でその学科は一生勉強することはできません。厳しい…。
この学問が自分にあっているか、テストを受ける前に考えることが大切です。
文系×職務経験
海外の大学に進む前に日本でもどこでも職務経験が数年ある、社会人上がりの学生は最強です。好きな学問を好きなだけ研究できます。
大学でもインターンシップはできますが、精々良くて半年です。それ以上やることも可能ですが、ビザの関係で長期インターンに参加できないこともあります。なので、そもそも海外に来る前に留学資金集めを兼ねて、社会経験を積んでおくのが一番効率的且つ、精神衛生も保てると思います。本命の学問を気兼ねなく研究できるのは、幸せですよね。
この場合、必ずしも正社員での職務経験でなければならない、ということはないと思います。例えば、派遣社員でも職務経験は職務経験です。海外大学卒業後に就活する際、派遣社員であったことをわざわざ言う必要はないし、培った能力は正社員と同じではないでしょうか。その能力と経験をさらにブラッシュアップして次に生かすことも充分可能です。
以上、就活難航に対するリスクヘッジとしてこんな選択肢があるよ、という紹介でした。
ちなみにめんどくさがりの私は通信大学で経済学を学ぼうとしましたが、普通に挫折しました。
移住までの大まかな流れ−ドイツ
前回は移住する際の日本での準備を紹介しました。
今回はそれに続いて、現地では学校への入学から就職・転職までどのような流れで進んでいくのかをシェアします。
1.語学学校での勉強(半年から1年半)
語学学校の入学が決まったら、まずは簡単な入学テストがあります。
文法の穴埋め問題と、イラストを見て作る簡単な作文で実力を測るところが多いようです。分からなくてもできるだけ埋めるようにしましょう。(正直この穴埋め問題は重箱の隅をつついてくるので、私が今受けても満点取れる自信はありません。)
この時期はお金と時間と労力が一番かかる時です。しかし、あとで思い返すと一番楽しい時間を過ごしたと実感すると思います。
焦ったりケチったりして自己流・独学で勉強したり、語学学校をやたらと変えていくのはおすすめしません。できるだけ一貫して順調にステップしていくのが確実です。
お金と時間を節約したいなら、日本である程度のレベルまで上げておくのが一番だと思います。
まずはB1(中級の初級寄り)を目標に勉強してみるのが良いでしょう。A2(初級の中級寄り)までレベルアップするだけでもかなりの節約になります。
日本人は会話力でつまづくことが多いので、B1レベルでも1つ下のA2からスタートすることになるのも珍しくありません。
自分にあったレベルのクラスではないと感じたら、早い段階で先生にクラス変更を申し込んでみてください。
あっさりと上のレベルに行けたり、反対に下のレベルからじっくり学ぶことができます。
2.大学院入学、卒業
晴れて語学試験に合格したら、合格証明書を期限までに大学に提出します。やっとスタートラインに立てました。
ドイツ語で進められていく講義、友達とのグループ勉強会、テストやレポートが終わったらパーティーじゃ!と、いつしか余裕も出てくると思います。
単位の取り方は日本の大学でもはじめはややこしてくて大変ですが、大学HPをよく読んで不安なら学生課や友達に相談してみましょう。現地人も普通に混乱して不安がっているものです。
途中、インターンができるなら必須ではなくてもやってみるのもおすすめです。いわゆる脈づくりです。
単位が揃ったらあとは卒論、修論を書いて卒業、修了です。
学生ビザが切れる前に就職する必要があるので、余裕をもって就活する必要があります。不安な方は院への進学や、他の学科への入学手続きを行っておくとよいでしょう。
3.就活(3ヶ月〜半年間)
IT系の学科を卒業した知人は卒業後2週間で内定をもらっていました。
このブログでは文系・意識低い系・凡人をテーマにしているので、普通の人向けに書きたいと思います。
ドイツの就活期間は平均3ヶ月〜半年間ほどかかるようです。
人材募集のサイトを巡回しているとやはり経済学・経営学系の新卒募集はありますが、文系で教員資格を持っていない新卒募集はめったにありません。
大卒を募集していても職務経験何年以上等、条件が中々合わずにいました。
それでも募集条件は企業の理想でしかないので応募してみるのも十分にありです。
手っ取り早く最初の職務経験を積むのにおすすめなのは、日系企業に絞り、日系企業の人材紹介を専門に行っている会社を探すことです。
メールで履歴書を送付し、電話で軽く面談をし希望職や自分の能力等を伝えます。それを3社以上と、できるだけ多くの人材紹介会社と行い、オファーが来るのを待ちます。
その間に、現地の商工会議所に履歴書を掲載してもらえるようメールを送ったり、ヘッドハント用SNSに登録してみたり、現地の職安を訪れてみてください。
ドイツの職安にはアカデミックな職を専門に紹介している冊子が置いてあるので、こういった方向に進むことに興味がある方はもらって見てください。
4.就職
ここで就労ビザが発行され、人生がかなり安定してしてくると思います。
オファーが来たら面接を受けます。電車代も人材紹介会社から出ることもあるのでぜひ問い合わせしてみましょう。
面接がどの言語で行われるのか気になるところだと思います。
企業にもよりますが、スタートアップで日本人の駐在員しかいない場合は日本語のみで行われることもあります。しかし、駐在員も最低限の英語力がある方がほとんどなので、英語で面接する可能性は高いです。
人事課がある企業は必要な言語すべてを使って面接することになります。
私の場合は3人の面接官を相手に英語で3分間の自己紹介、ドイツ語で強み弱み等定番の質疑応答、日本語で詳しい業務内容等のやりとり、とうまく分担して進んでいきました。
たいてい面接は最低2回行われます。
1回目でお互いをよく知り、2回目で給料のすり合わせになる場合が多いようです。
実際に経験したものの中に、1回目で人事課とやり取りをし、2回目で社長と直接話し、給料交渉は人材紹介会社を通じてメールで、というケースもありました。
5.転職
転職をする際は現在勤めている会社の労働契約書に則って、規定の日数前までに退職の旨を伝えましょう。
退職届は基本的に会社側は受け取りを拒否することができないため、不当に転職を阻止されることはありません。また、余った有給休暇もすべて消化できるはずです。
退職に関して困ったことがあったらまずは人材紹介会社の担当者さんなど、相談しやすいところへ相談しましょう。
せっかく転職をするのだから、給料は今よりもらいたいところです。ドイツでは現職よりも10〜15%増しを狙うのが一般的だそうです。
もちろんそれ以上狙うのも十分ありですが、職歴とポジションとあまりにもかけ離れていると印象が悪くなるかもしれません。
大体の目安を調べておくと良いです。
ざっくりとした流れはこんな感じです。
ゆっくりと確実に生活を安定させていくことが大切です。
移住までの大まかな流れ−日本での準備
海外留学、移住はどういった手続きが必要なのか、調べている人も多かと思います。
州や大学ごとに少しずつ条件が異なったり、提出期限や書類有効期限などにも注意しなければならないこともあり、ややこしいことだらけです。
私の場合、ざっくりとした手続きの流れは以下のようになります。
なお書類はすべて英語でもらいましょう。
・日本での準備
1.日本での高校・大学卒業証明書、成績証明書の取得
すでに卒業していてもHPや電話で問い合わせできます。大学なら学生課や自動発行機等で発行できます。
卒業がまだ先だけれど、早めに準備をしておきたい場合は卒業見込み証明書と現在までの成績証明書を発行しておきましょう。後ほど卒業証明書が発行できる段階で送付しても問題ありません。
2.海外大学院への進学準備、入学申請
ドイツではUni Assistという全国の大学を網羅した入学申請ポータルがあるので、そこに書類をアップロードしていきます。
州や大学によって条件が厳しいところや緩いところがあるので大学比較サイト等で比べてみてください。例えばドイツ語で「大学 比較 ドイツ」と検索すると良さそうなUni-Vergleich.deというサイトがヒットします。現地語がまだよく分からなくてもGoogle Chromeブラウザを使えばサイト内を英語に自動翻訳してくれるので便利です(メニュー→翻訳→言語を選択)。日本語翻訳のクオリティは良くはなってきているものの、英語と比べると劣ってしまうので、全体像をざっくり知りたいときに使うと良いでしょう。
その中から興味のある大学をいくつかピックアップして詳細を大学HPで調べていく、という地道な作業になります。
3.大学付属語学学校入学申請、大学院入学申請
大学から入学申請の許可が降りたら手紙等で連絡が来ます。嬉しい気持ちを抑えて手紙の全文を読みましょう。そうです、まだ現地語の語学証明書がありません。
大学付属の語学学校がある場合はそこへの入学を勧められるかもしれませんが、必ずしも強制ではありません。自分にあった語学学校を探して見るのもよいですし、ドイツ語に限って言えば、日本で独学でオーストリア政府公認ドイツ語試験(A1〜C2レベル)を受けてみたり、Goethe InstituteでTestDaFを受けてみるのもありです。
日本で十分な語学力を証明できれば、かなりのコストと時間を抑えることができます。
語学学校のコストシミュレーション
例えば私の通った附属学校を初級(A1)から始めると…
A1クラス:6週間:4万円
A2クラス:6週間:4万円
B1クラス:6週間:4万円
B2クラス:6週間:4万円
C1〜C2クラス:11週間:7万円
計:約9ヶ月間:23万円
+
日々の生活費
家賃月3万円として、9か月間で計27万円
食費、保険、通信費等、切り詰めて月5万、9か月間で計45万円
合計約95万円の節約になります。
長くなるので続きは次の記事で。
利点とリスク
海外移住を考える方は、すでに自分の将来のビジョンや目的をある程度明確に持っていることでしょう。
また、強い意思をもってその土地で骨を埋める覚悟もできている方もいると思います。
その際考慮されるのは、利点とリスク。この2つを何度も天秤にかけたのではないでしょうか。
その土地で生きることに関して、日本での生活に比べてメリットが多かったり、背負える程度のリスクであると認識しているからこそ、今こうして情報収集しているのだと思います。
夢を抱きすぎるのも危険ですが、慎重になりすぎて挑戦しないのももったいない。
しかし他の国で自立・自活していくのは大変じゃないわけがない。葛藤があると思います。
どのようなことに注意しなければならないか、私の経験では大きく3点ずつに分けると以下のようになります。
利点:
・いわゆる先進国なら、日々の生活の安心感が日本と大きく変わらない
・労働法が遵守され精神を病む確率が低くなる、転職はキャリアアップの手段として普通に行われる
・言葉や日本特有のメンタリティへの理解を強みにできる
リスク:
・外国人としてその国のマイノリティになる:選挙権は学生ビザではもらえない、一部クレカが作れない
・特殊な研究職を除いて、ビジネスで使えるくらいの英語力+同等レベルの現地語は就職にほぼ必須
・家族の緊急時すぐには駆けつけられない、一時帰国のコスト
他にも日本食が高かったり電車の遅れが気になったり、小さなことはたくさんありますが、そういったことは正直慣れますし諦められます。
上記の点を詳しく説明していきたいと思います。
治安と日常生活の安心感
大学の食堂で置き引きにあった人は何人も見かけましたが、自己防衛ができる方なら普段の生活で恐怖を感じることはありません。
Apple製品を置いたまま目を離すことが危ないのは有名ですね。
しかしいくら自己防衛をしても、どうしようもないこともあります。ヨーロッパでは近年テロが多発し、大都市が狙われることも何度かありました。
もともとインドア派でクリスマスマーケットやパーティに興味がなかったのでそこまで不安に感じませんでしたが、大使館からくる連絡やニュースで情報収集し、なるべく人混みは避けるように対策はしていました。
日本とは違う、という意識を常に持ちTPOにあった身なりをしておくことが大切です。
労働環境
ドイツの労働法は労働者にとって安心できるものと言えます。
法を破った際には会社ではなく、不当な命令を出した上司など本人のポケットマネーから罰金を支払うこともあります。
有給消化率も9割以上と非常に高く、病欠はまた別でもらえます。私が知る限り、管理職クラスを除いて有給休暇を100%消化していない人は見たことがありません。
転職について。
転職は日本とは違い、キャリアアップの1つであると認識されています。
XingやLinkedInといったSNSを活用したヘッドハンディングも活発に行われているようで、月に1度の頻度で私のところにもメッセージが届きます。
退職の際には、労働契約書に明記された退職までの期間に沿って、有給休暇もしっかり消化した後、退職することになります。
就職関係での強み
普通の日本人が初めて海外で職を探すとなると、やはり日系企業が狙い目になります。
日系企業が海外法人を作り始める際、駐在員にとっても同じ日本人で日本のメンタリティを理解できる人がいるだけで、安心できるからです。
海外特有の宗教やビジネスマナーと、日本特有のそれとでは差があるのはもちろんのこと、それらを日本ですべて理解した上ですぐに現地人と一緒に仕事をするのは難しいでしょう。
また、英語や現地語の細かいニュアンスを顧客に伝えたり文書を訳す際にも、日本語で気軽に質問できたら会社側も助かる、というわけです。
現地と日本の2つの文化をある程度理解している日本人というのは貴重で、スタートアップ企業には重宝されます。
次にリスクです。
マイノリティになる
外国人だから多少分からなくても甘えていられる、というのはあまり通じません。スーパーや公共交通機関等で優しくされることはあっても、大学でのレポートや仕事はそうはいきません。人一倍の努力が必要になります。
個人的に選挙権がもらえないのはそんなに気になりませんが、作りたいクレジットカードが作れなかったのは少し残念な気持ちになりました。
たまにこういった点で外国人であることをしみじみと感じます。ちなみにクレジットカードは他の会社で作れたので不便ではありません。
最大の不安要素、語学力
日英+現地語のマルチリンガルになれるかどうかのリスク、これができなければそもそもの自活は難しいでしょう。
しかし、言語は所詮慣れです。詳しい勉強法はこちらをご参考ください。
移住前に英語だけでもTOEIC700点位を目指してレベルアップしておくのが良いと思います。理由は、TOEIC650点を学士入学の最低条件にしている大学が多いからです。
講義が現地語でも文献や資料は英語しかない、というのは普通によくあります。
英語と現地語、2言語同時進行は頭が混乱すると思うので、英語だけでも日本で鍛えておくのが良いです。
反対に、現地語は語学学校で絞られるので勉強すれば早い人で1年ちょっとで試験に合格できます。クラスに同志がたくさんいるので、やる気も自然にわきますし、実践練習は日々の生活そのものなので比較的短期間でマスターできると思います。
私が通った大学付属の語学学校はクラスが1〜5に分かれており、それぞれ2〜3ヶ月ずつかけてステップアップしていきました。4クラス目で試験範囲を網羅し終わるので、この時点で受けてみるのも良いかもしれません。また、1〜2クラスを飛び級できるよう、日本で勉強を始めておくのも時間とコストを節約できるのでおすすめです。5クラス目はアカデミックライティングを鍛える期間で、確実に試験に合格したい人(もちろん大半)は受けていました。
最後に、
家族と離れること
自分のこと以外で覚悟を決めなければならない、薄々気づいてはいたけれどやっぱり向き合わなければならないことです。
家族の緊急時、すぐには会いに行けないこと。会いに行けてもコストが比較にならないほどかかります。
こういったときのための保険もあるので、一度見てみるとよいかもしれません。
以上が私が経験した上で感じた利点とリスクです。
海外移住をやたら勧めるのではなく、リスクを熟考した上でみなさんの背中を押したいと思います。
挑戦しない限り結果はわからないし、とてつもない高い壁も上がってみると意外と大したことなかったりします。その時は必死ですが。
この記事がみなさんの不安を少しでも解消し、リスクと冷静に向き合うきっかけになれば幸いです。